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パタン・ランゲージを活用したオフィス創り

オフィス紹介
パタン・ランゲージを活用したオフィス作り
今回の移転を振り返って

パタン・ランゲージとは適用の背景

今回のオフィスづくりで最も考慮した点は「個の力をベースとした集団づくり」です。個の創造力と集団の共創力がともに向上するオフィス創りを心がけました。創造力の高いオフィスは直接個人のやりがいに繋がり、それが集まって企業の業績向上に繋がると考えたからです。

しかしながら、「では机はこれにしましょう」とか「茶室を作りましょう」とかという提案はせず、フロア全体でつねに創造が絶え間なく起こる「躍動的なオフィス」をつくることにしました。ということは今まで一般的に言われている「クリエィティブオフィスの作り方」は参考にできなかったわけです。よって全く新しい方法でオフィス創りを行いました。それが「パタン・ランゲージを活用したオフィス創り」です。

「創造」において最も重要なものが「感性」です。オフィス環境はこの感性のはたらきを活発にしたり、じゃましたりします。環境について人が意識して表現できることより、環境はより多くのことを人に語りかけてきています。よって感性のはたらきを邪魔しないような環境づくりが必要となるわけです。

いままでこのようなことはあまり意識されずにオフィスは作られてきました。今回のオフィスは一言でいうならば「人が生き生き働けるオフィス」だと思います。

「パタン・ランゲージ」の中には次のように書かれています。

  • そこで発生する出来事を体験したり想像せずして、場所を考えることはできない。
  • 空間とそこでの出来事のパタンは分離できない。
  • 空間自体を命のある要素と見なさねばならない。空間そのものが息づき、生きている。

パタン・ランゲージとは

カリフォルニア大学バークレー校のクリストファー・アレグザンダー教授によって書かれた「環境設計の手引」です。

この手引の範疇は町づくりから建物内の施工まであり、「生き生きとした空間とは」ということで253パタンが『パタン・ランゲージ』という本に掲載されています。

これらのパタンは今までは主に建物に採用されて来ました。よってオフィスに本格的に適用されたのは今回が初めてではないかと思われます。

今回オフィスに適用したパタンは

採用したパタンは24個、採用には至らなかったが参考になったパタンは24個であり、今回のオフィス創りにおいては合計48パタンの考えが盛り込まれています。

もっとも重要なパタンは「80.自主管理の作業場とオフィス」というパタンです。

移転以前から「リーダーと5名のメンバーによるチーム形成」となっており、これを促進する為、島によるチーム形成から、通路間チーム形成とし、島間に衝立を置いて、他チーム員の視線をカットすることにより、個人作業においても集中できることを考慮しました。

このパタンは次のように説明されています。

「仕事が楽しくなるのは、仕事の全体像が把握でき、仕事全体の質に責任をもつ場合である。それが可能になるのは、社会に発生するすべての仕事が、自主管理的な小規模人間集団、つまり差向いの対話で相互の了解が得られるほど小規模で、かつ作業者が自分の問題を自己管理するような自主的な集団によって遂行される場合に限る。」

このパタンが今回採用したパタンの中で最も上位に位置するパタンであり、このパタンを達成する為に、他の23のパタンを選択したことになります。

採用したパタンをいくつか挙げると次のようになります。

  • 127.親密度の変化(玄関の近くに会議室兼応接室、通用口の近くにリフレッシュルームおよび給茶エリア)
  • 151.小さな集会室(会議室のテーブルの大きさ)
  • 159.どの部屋も2面採光(会議室の全面ガラス間仕切)
  • 183.作業空間の囲い(島の中心に間仕切、通路間チームの形成)
  • 185.くるま座(畳のリフレッシュルーム)
  • 194.室内窓(会議室とリフレッシュルームのガラス間仕切)
  • 196.隅のドア(リフレッシュルーム、会議室、書庫)
  • 225.厚い縁どりの枠(SW80)
  • 233.床面(ビニールカーペット、タイルカーペット、畳)
  • 237.小窓つきの厚いドア(すべてのフルドアに窓)
  • 253.自分を語る小物(ピンナップできる前面の間仕切

ほか12パタン

それぞれにはパタン80番のような説明がありますがここでは省きます。パタン・ランゲージの要点はお手本は「自然」にあるということです。自然にはアンバランスなものはありません。絶妙なバランスが取れているのが「自然」です。よってパタン・ランゲージを適用するということはオフィスに自然のはたらきを取り入れることになります。

たとえば一つの例として、「237.小窓つきの厚いドア」というのがありますが、各部屋のドアには窓を付けました。ドアは確かに部屋の内と外を区切るものなのですが、中の人は外に、外の人は中にという二つの力が発生します。よって中の人は外の様子が、外の人は中の様子がわかる必要があります。それが分からないとストレスとなります。人間が本来持っている感性との不一致が発生するわけです。

玄関、執務室、リフレッシュルームなど各空間についてどのようなパワーが発生するのかを感じ、それらのパワーがバランスするようにデザインしました。

このように、一つのパタンは全体に影響を与え、全体は一つ一つのパタンに影響します。採用した24のパタンはこのように関連しあっています。「人が生き生き働けるオフィス」とはという全体を個々のパタンで物語ることができるというのがパタン・ランゲージの最大の特徴です。

期待(予測)される効果は

ストレスが軽減されますから、その分のエネルギーを成果の出るものに向けられるようになります。ですから、社員の「はたらき」は年を追う毎に伸びて行きます。それは創造するということはどういうことなのかを体験し、創造するということが早く・深くなっていくからです。

残念ながら写真では際立って特徴的という様には写りません。

よって、来ていただいて「体感」していただきたいと思います。パタン・ランゲージを適用したオフィスは「体感」していただいてはじめてわかるオフィスなのです。

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